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第134回e4c-village協議会 報告

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
安倍政権になって以来経済が動いている感が強くあります。円安、株高という
面だけではありません。経済は、閉塞せずに動いていれば、打つ手はあります。
円安に振れて輸出産業にはよくても、ガソリンの値上げなど庶民にとって先ずは
ネガティブな面も出てきます。貿易赤字も増えるでしょう。でも輸出競争力が
上がってある時点で黒字化の方向に転じていくはずです。何でもポジティブな面
とネガティブな面があります。動きが取れない閉塞感に囚われなければ、
逆に言えば閉塞しないように手を打てば、ポジティブな割合の大きな動きを招来
することができるのではないでしょうか?春浅き今、啓蟄の頃、これから我々の
活動が息衝いていきます。寒暖の差に気をつけて体調を崩さないようにしましょう。

さて、次回の協議会のご案内です。開催予告を出しましたが、急な日程になって
しまって申し訳ありません。もうちょっと先を予定していましたが、アンドを取って
みたらちょっと早くなってしまいました。

今回は「製造業」を取り上げます。上で述べた経済もそうですが、このところ
新しい動きがいろんなところで出ています。たとえば、シェール革命も、影響は
必ずしもエネルギー分野だけに限定的ではありません。余談ですが、今後こう
いう動きも協議会で紹介していきたいと思っています。元に戻して、今回の
テーマの発端は、クリス・アンダーソンの著作「メーカーズ」です。
「デジタル製造業革命」 と言っています。この本が出て以来新聞・雑誌にも多く
取り上げられるようになってきました。実は萌芽は何年も前から起きています。
イーフォーシーでも「デスクトップファクトリー」的なテーマを3年前から取り上げ、
2年前からサポイン事業として取り組んでいます。今回お話を伺う理研の大森さんも
「オンデマンドファブリケーション」というか、「遠隔モノづくり」というか、いわば
ネットの向こうに設計図を送ると自動的にその物を作ってくれるという世界を構築
していこうとしています。

そうです、 「製造業」が変わってきています。
もちろん今までの「製造業」や「生産体制」 、大量生産、少量多品種生産、
EMCなどがなくなるわけではありません。でも 、例えば、プロトタイプの製作は
変わります。今まで最低1週間は掛かるとされた試作が30分でできるとしたら
どうでしょうか。圧倒的なスピードアップです。それも時と場所を選びません。
マレーシアの工場にすぐ試作品を送る、否、マレーシアのその場で試作品が
作られていくのです。カスタム品もコストが掛からずに製作されます。
人手が掛からず、機械が夜でも動いて一品料理ができるのです。稼働率が
上がりますから機械コストも下がります。日曜大工ならぬ、夜間工作です。

最近の新しい動き「デジタル製造業革命」の全体像は、野村総研の寺田さんに
お話をお願いしました。3Dプリンタが象徴ですが、インターネット、通信の進歩、
製造設備・装置の進化、などの多くの技術の進歩に支えられています。
また、日本だけなく、世界の動きも紹介していただくようお願いいたしました。
まだ確立した体制ではありませんので、今後どうなるのかまだ分かりません。
かなり無理なお願いでもあります。MITのファブラボなども含めて、お話いただ
けると思います。

価値観の多様化に合わせて、少量生産も可能になってきました。
今回お話いただく、ビーサイズの八木さんは、「ジョブズに憧れて」、
「たった一人の家電メーカー」を立ち上げました。「ストローク(STROKE)」という
LEDデスクライトを企画、製造、販売しています。ご自分の理念を表わす
シンプルな美しいデザイン、それに共感するユーザーがいます。量産工場を
作らなくてもファブレス委託生産で作り上げます。八木さんの場合は、
最初のロットは、組み立てと梱包・発送は自分の事務所、加工は加工業者に
お願いしていたようです。こういう柔軟な仕組みはいろんな分野で成り立って
きています。少量生産を可能にする中小製造業者が日本の製造業の裾野には
多く存在するのです。もう大企業のためではありません。技術力もある裾野製造業
が新しい製造業を生み出します。大事なのは商品なのです。モノづくりの競争力
はまだまだ日本にはあります。八木さんの目指すものを聞いてみて下さい。
私は興味津々です。

今年は面白い年になりそうです。イーフォーシーも、新しい動き、新しい挑戦、
をご紹介しながら、皆様と一緒に新しいビジネスに挑戦していきたいと思います。

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋