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第126回e4c-village協議会 報告

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
すでに三寒四温でしょうか。日もめっきり長くなり、暖かさを感じる今日この頃です。
いつの間にか花冷えの季節が間近のようです。春。萌えいずる春。
希望の光を新たに更なる復活に挑んでいきましょう。

さて、第126回協議会のご案内を差し上げます。
前回に続き、「危機の時代のリーダーシップ」の第2弾です。

逆境が人を育てるといいます。危機の時代は、危機が人を育てます。
前回の協議会を振り返ると、まさにその話があれもこれもと思い浮かびます。
日本IBMも、三菱商事も、グラクソスミスクラインも、企業としての理念に常に
立ち戻りながら、いろいろな種類のリスクに立ち向かう姿を生き生きと語って
いただきました。業界、業態、業容、社風によって危機対策、危機対応の考え方、
行動規範に多少の違いはありますが、基本は共通しています。ことあるたびに
更改されますが、基本はマニュアル化されます。しかし大事なのはその中でも、
想定外の事態でも、人が自律的に自発的に行動することです。各社の話は
まさにこの部分でも何を優先すべきかを各人が、基本を踏襲しつつも、
自ら考え、行動していくを具体的に描き出していました。

今回の第2弾は、日本HP、三菱化学、コニカミノルタ、防衛省陸上自衛隊、の
4組織にお話を伺います。

日本HPは、IBMと同じ外資系(アメリカ)IT企業ですが、業態がちょっと違います。
端的にいえば、HPは、プリンターやPCなどのB2Cビジネスも持っており、また
メーカーとしての顔もあります。必ずしもB2Bのサービス事業だけではありません。
その分ビジネスのグローバル構造も意識も違ってきます。東日本大震災では、
本社のグローバルセキュリティ部隊が震災2日目に来日したそうです。世界中の
有事を経験している危機管理のプロフェッショナルとのことです。
三菱化学は、脱オイルなどの業態変革を進めていますが、基本は化学プラントを
中心にしてきた会社です。当然意識はまだ巨大プラントと巨大投資の上にあります。
一朝事が起きたときの被害規模も大きくなる可能性が大きい。こういう状態と意識の
中での危機対応ということになります。
コニカミノルタは、ご存知のように、2003年8月にコニカとミノルタが経営統合をして
生まれた会社です。一眼レフカメラαをソニーに譲渡したように業態、事業構造の
変革に取り組んできています。セットメーカーであると同時に部品メーカーでもあり
ます。松崎社長からは、3.11の後、リスクマネジメント室だけでなく、クライシスマネ
ジメント室も新設したと伺いました。

さて、最後に、今回は企業とは全く違う立場から防衛省陸上自衛隊からお話を
伺えることになりました。3.11のときにまさに救援活動で実際に動かれた方の
お話です。お話を伺うと自衛隊も大分変わってきたとつくづく思います。例えば、
自衛隊は基本的にシビリアンコントロールの要請を受けて救援活動などに出動
しますが、阪神淡路の教訓から要請を受ける前にヘリを飛ばすことも可能に
なったとのことです。もちろんコンプライアンスはあります。他にも聞いてみて
組織行動、システムなどが大きく変わってきたことが分かりました。レポーティ
ングラインもネットワーク化されてきたそうで、総理への情報伝達もかなり短縮化
されたと伺いました。90年代にアメリカの軍制改革が行なわれましたが、
同じような改革が自衛隊にも起こっていました。これらのお話は一般私企業に
とっても非常に示唆的です。最近アメリカで陸軍のリーダーシップ育成が注目
されていたり、アメリカ企業で軍人が雇用される例が増えてきたり、という話を
聞くと、時代の変化の表れかと思ってしまいます。今回の自衛隊のお話は
東日本大震災時の指揮通信システムについてですが、会社にとっても大変参考
になります。考えてみればビジネス用語の中にはずいぶん軍事用語あります。
戦略などは最たるものです。役に立たない道理は無いわけです。

今回もまたこれらの各社各組織の違いと共通する点を伺いながら、その中で動き、
学習していく人を想像してみたいと思います。新たなリーダー像が浮かび上がっ
てくるはずです。今必要なのは「平時のエリート」ではありません。死蔵する知識
でなく、活きた知識を駆使して、活きた成果を出していく、行動人としてのリーダー
です。当事者意識を持って、諦めずに結果を追求していくリーダーです。

前回同様、リーダーの育成法というと抽象的になってしまう恐れもありますので、
講演では危機管理システムの話を中心に、具体的な実際の動き、経験をお話して
いただきます。

論語に、「子曰わく、学んで思わざれば則ち罔(くら)し、思うて学ばざれば則ち
殆(あや)うし。」とあります。意味は、「もし学びながら思考しなければ、本当に
物事を理解する事など出来ない。もし学ばずに思考すれば独善(ひとりよがり)
に陥ってしまって危険である。」 この「思考」は当然「行動」が前提です。
今回もまたよく学んで新たな挑戦に役立ててください!

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!


             株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋