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第106回e4c-village協議会 報告

いつもお世話になっております。

まず今回の協議会の開催日とご案内が遅れましたことお詫び申し上げます。
今回第106回協議会は3月24日(水)に決まりました。
テーマは予告どおり「クラウドコンピューティング」を取り上げます。

今年は実ビジネスに変革が顕現してくる年です。
今も世界中いたるところに軋轢と呻吟が現れていますが、
世界の新たな秩序、新たなビジネスモデルがその中から生まれ出ようとしている、
胎動ともいえるのではないでしょうか。
前回の新春放談での原丈人氏のお話は象徴的であると同時に感動でもありました。
手ごたえを感じた人も少なくなかったと思います。
ポストPC時代の新たなシステムと技術、そしてビジネスモデル。
公益資本主義という企業とビジネスの存在の根源に遡った考え方。
原氏は日本こそがその新しい世界モデルをリードできる国であると言います。
実はわたしも、原氏の予言が正しいかどうかはわかりませんが
(事実実現しているものもあります)、何か生まれいずる予感は感じているのです。

そんな中で今回は「クラウドコンピューティング」を取り上げるわけです。
2回に分けて特集を組みます。1回目は今月、2回目は4月に開きます。
今までは総論を最初にもってきましたが、今回は逆にして、
今月1回目はひとつの具体例をご紹介し、来月2回目に俯瞰的な総論を持ってきます。

何故なら、調べてみればみるほど、言葉が先行している様相が見えてくるからです。
バズワードなのか、はたまた実相としての進化の過程なのか。
導入率は、定義にもよりますが、2~3%という見方が多いようです。
ビジネスモデルは確立していません。確かにいくつかの共通認識はあります。
たとえばソフトウェアのサービス化。ASP、SaaSとは違うのでしょうか。
たとえばコンピューティングリソースのアウトソーシング。
ネットワークコンピューティングやユーティリティコンピューティングと如何違うのでしょうか。
まさに諸説紛々。新しさを否定する声もあります。
100人に聞けば100通りのご高説が聞こえます。 最初に総論を持ってくると、
聞いている人は何がなんだか分からなくなるのではないかと危惧しました。

実はこんな混乱の時期に取り上げなくてもいいのでは、とも考えました。
取り上げたのは二つの意見からです。
ひとつは、「欧米はすでに進んでいる。 遅れているのは日本だ。」
もうひとつは、「混乱している。誰かこの混乱を整理して、どのように混乱しているのか
絵に描いて教えて欲しい。」
どちらにしても聞きたがっているのです。一肌脱ごうという気になりました。

今回お話していただく日本IBMの渡邉氏には早い段階でお話を伺いました。
サーバーサイドの進化は確実に感じました。
ユーザーにとっては機能、操作性、利便性、コスト削減が得られればいい訳ですから、
インターネットクラウドの向こう側は極言すればどうでもいいのです。
とすればこちら側のサーバーサイドとしては提供できれば何でもいいことになります。
渡邉氏は比喩的に「メインフレームの復権」を言います。
もちろん過去に戻るのではありません。
仮想化などの技術の進歩は取り込まれます。一種の垂直統合化でしょうか。
渡邉氏にはスケールアップサーバー(メインフレーム)を踏まえたクラウド化と
その具体的事例についてお話していただきます。

さらに渡邉氏の流れに沿ってお二人にご講演いただきます。
NTTデータの西内氏には、Linux基幹システム構築のポイントとその可能性を
お話していただき、プラットフォーム選択の考え方を伺います。
もうお一人は日本IBM宮本氏から、メインフレームopen source (Linux)を中心に、
ビジネス変革の事例を伺います。

今回は具体的な事例を元にクラウドコンピューティングの意味の一端を探ります。
これをベースに次回の総論につなげます。

ITにかかわる人も、かかわらない人も変化の流れを感じてください。
変化の先が見えなくても確実に動いています。
様子を見ているだけではいつか取り残されます。
2010年も明るく切磋琢磨していきたいと思います。
是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋