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第152回e4c-village協議会 案内

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
今年は、いや今年も、台風は大きな傷跡を各地に残しました。災害に遭われた方、
ご家族には心からお見舞い申し上げます。このところ落ち着いてきていますが、
まだまだ油断はできない最近の気象です。それでも季節は進み、最近は朝晩
冷え込んでくるようになりました。風邪も流行ってきているようですから
くれぐれもお気を付けください。
天候だけなく世界の政治もおかしくなっています。トランプさんがまた世の中を
騒がす言動を発しています。米中貿易だけでなく、核条約の破棄にまで言及
し始めました。理由や真偽はいろいろあっても、どうもその波及的な影響を
3次、4次くらいまで考察する必要がありそうな今日この頃です。二国間で
済むような問題ではありません。このところ課題山積の感が拭えません。
考えても悩まずに行きましょう!

さて、今回の協議会はブロックチェーンを取り上げます。仮想通貨に絡んで
新聞はじめメディアで毎日のように騒がれていますから少なくとも言葉だけは
ご存知のことでしょう。ブロックチェーン自体はセキュリティ技術の一つです。
公開鍵暗号方式とハッシュ関数を使った、成りすまし偽造防止の認証の仕組みです。
これをうまく使うと、一つの巨大な権力による認可ではなく、複数の中小監査人の
認証で物事を安心安全に進めていくことができるようになります。
メリットは、巨大な権威に頼ることなく、民主的にみんなで監視すればいいシステ
ムだということです。一つの権威に頼っているとそこに悪者がいれば簡単に犯罪
が行われてしまいます。ブロックチェーンは、いわばみんなで見張っている
システムで、誰か悪いことをしようとするとすぐばれる仕組みということでしょうか。
今回のテーマには「本当にすぐばれるのか?」という課題もあります。またこの
システムはどこを安全にし、どこはカバーしないのか、という問題もあります。
例えば最近ブロックチェーンを使ったICO(Initial Coin Offering)の8割は
詐欺だったというニュースがありました。しかしこれはブロックチェーンの問題
ではありません。資金を集める仕組みとしては詐取することなんてできません。
問題は集めたお金を集めた人がどうするかというのが詐欺になってしまうのです。

私はセイコーインスツルメンツ時代に新規ビジネス担当として、「ネットの中で
も時間はセイコー」というキャッチで、タイムスタンプビジネスを企画開発しました。
これはハッシュ関数を使った偽造防止のセキュリティシステムです。当時は
公開鍵暗号方式も勉強しましたが、こういうものがブロックチェーンに繋がっ
たのか、と思うと何やら妙な感慨が湧きます。

このテーマは以前から考えていましたが、今回は日本IBMの渡邉さんと話してい
るときにまとまりました。渡邉さんには今回総論基調講演と各論を一つお話しし
てもらいます。仮想通貨だけでなく、アプリケーションは幅広く広がります。
ブロックチェーンは分散型台帳ともいわれるように台帳管理を時間経過に合わせて
ブロックとして次々と生成していきます。これに合わせて取引データが改ざん
されることなく台帳に記入され認証されていくのです。この伝でいけばサプライ
チェーン、証券取引、等々、時系列的に変化していく帳簿の管理に最適な方法で
はないかと容易に想像できます。先ずは渡邉さんにはこの辺りを総論的に話して
いただき、具体的な例として物流なども取り上げて実例をいくつか解説してもらいます。

3つ目の話は、ソラミツ株式会社の宮沢さんにお願いしました。
宮沢さんは元ソニーで、Edyビジネスをやっていました。楽天に買われた時
には楽天に移ってビジネスを続けました。去年久し振りにお目に掛かったら
いつの間にかソニーを退社し、ソラミツのCOOになっていたのです。ソラミツは
ブロックチェーンの新たなアーキテクチャーを開発して、[HyperLedger Iroha]
としてIBM、Intelに続いて、オープンソースプロジェクトの3番目のプロジェクト
として採用されています。詳しくは宮沢さんにお話ししていただきます。
宮沢さんと話していて、新たな夢を感じました。ソラミツが目指しているのは
新たな経済社会システムのようです。トークンによる新たな経済社会などです。
国境を超えた新たなコミュニティの形成もあります。じっくり伺いたいと思います。

今回のブロックチェーンは幅広い応用の中でも、第1回としてまず基本、そして
代表的な応用を理解したいと思います。それをステッピングボードとしてさらに
新たな世界を覗けるようにしたいと思います。第2回、第3回が訪れる気がします。

今回も是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋