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第136回e4c-village協議会 報告

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
梅雨の季節と思いきや、変な梅雨です。昨日今日は大雨だと言っていましたが、
やっと降ってきました。西日本は警戒レベルでも水がめはまだカラカラです。
空梅雨なのでしょうか?世界も天災、人災相俟って、トルネードやインドの大雨、
トルコのデモなど、あっちこっちで予想外のことが起こっています。日本の景気も
ここにきて揺れ戻しらしき動きも出ています。G8が終わってもどうなることやら。
物価が上がれば長期金利が上がるの当然ですが、まだ物価も上がっていない
のに長期金利の動きがおかしい。世の中、人と自然が動かしている以上人知を
超えた天災もあれば、一部の人の思惑から経済が変に動くこともあります。
それに最近はコンピュータシステムが勝手に株の売り買いをするのでことは
さらに厄介になっています。でも人の世界は人が何とかしなくてはなりません。
せっかくアベノミクスで楽観論も出てきたのですから、ポジティブに行きましょう。
閉塞感に戻らない!先を見ていきましょう!

さて、次回の協議会は、開催予告でお知らせしましたように、この時期にまさに
うってつけの人です。いつもポジティブで、オープンで明るく、先しか見ていない。
元ホンダの小林三郎さん。最近は年150回以上も講演をなさっているとのこと。
まさにどこからか大声が聞こえてきそうです。ご著作の「ホンダ イノベーション
の神髄」も5版を超えたとのこと。この手の書籍ではちょっと異常です。
そうです。世の中が欲しているのです。今はそういう時代なのです。
この時代認識から始めましょう。

ちょっと余談ぽくなりますが、先日テレビで、元プロ野球の桑田真澄さんが出て
いました。東大の投手顧問になったという話です。なぜ引き受けたのか?
桑田の問題意識は、プロも含め、うまくなるための練習を自分でちゃんと考えて
いない、というのです。コーチに言われたメニューをこなしているだけ。うまくなる
のは、(言われた練習メニュー)x時間、ではないと言います。課題は何か、を
自分で考え、自分で答えを出していくことだと言います。それが今の野球選手には
できていない。アメリカでは個人個人が自分に合った練習をしている。時には
休むこともメニューです。これを日本にも導入したい。これが桑田の問題意識です。
これが時代認識です。今の時代、自分で考えることなくして、時代を切り拓いて
いくことはできません。

小林さんの話も基本はこのことなのです。考えて、考えて、考え尽くす。
考え尽くしたら、最後まで諦めずに、実行し尽くす。これが骨子です。
それを、ご自分の経験を例に挙げて具体的に話す。だから説得力があるのです。
時代が要求する内容があります。

小林さんとは、20数年前に、確か野中郁次郎さんが主宰する、能率協会の
「高付加価値経営」を検討する委員会で出会いました。すぐに意気投合し、
ソニー節とホンダ節が出てきます。なにしろソニーとホンダのことです。
ほとんど共鳴モードでした。実はその委員会では、イノベーションを独自に
生き生きと語る人が他にもいました。キャノンとTDKの人です。4羽カラスで気勢を
上げていたと記憶しています。「面白くなきゃだめだ!」、「10回くらい、何故と問うて、
答えられたか?本質は何か?」、「本当に顧客のためか?」、「ふらふらするな!
一点突破全面展開だ!」、「できないなんて言うな!やらなくてならないことなら
どうしたらできるか、を言え!」、・・・。野中先生の知識経営、形式知と暗黙知も
ベースにはありましたが、実ビジネスの生きたイノベーションはまた別の迫力を
もって語られていました。まだ高度成長冷めやらぬ「元気な時代」でした。

今回の小林さんのお話は、そういう時代から連綿と続くホンダの哲学、理念、
具体的な方法論を、例を交えてわかりやすく語っていただきます。体系的によく
纏められています。でも決して丸められてはいませんから、ホンダ独自の尖がった
ところもよく分かります。体系的によく纏められていながら、ちゃんと尖がった
違いが生きているのです。ご著作に書かれていることより生々しい事例もあり、
説得力が増しています。

小林さんは、日本初の自動車のエアバッグの開発者です。しかも助手席のエア
バッグは世界が追随した方式の開発でした。小林さんは自嘲気味に言います。
「世界の特許を出し忘れた。しかし、物は考えようかな。特許がなかったから
ベンツも採用した。」結果はみなさんがご存じのとおりです。今やエアバッグの
ない車はありません。しかし開発時代は闘いの連続でした。10数年かかっても
物にならないものに周囲は冷たくなっていきます。「止めたら?」でもそれが時に
はフェイントでもあったのです。このくらいで止めるならものにならない。試された
ことも多々あったのでしょう。
ソニーでも同じです。楽にできたヒット商品はありません。みんなぽかぽかやら
れたのです。例えば、プレステの久夛良木さんも、今や苦労がなかったように
見えますが、「出る杭」だったことは間違いありません。

イノベーションを実現することは、最後は面白く、楽しいことですが、そのプロセス
の渦中ではずいぶんな苦労があります。それを耐え、掻い潜ってこれたのは
その人の個性です。だから成功は個性的なのです。失敗が普遍的なのに対して
対照的です。だからe4cでは通常成功談だけでは取り上げません。応用できない
からです。でも今回の小林さんを含め、e4cの特別講演の講演者に一見成功談が
多いように見えるのは、プロセスの中でのその人個人の意思決定、気付き、執着心、
行動力、リスクテイクに対する人間力に焦点を当てながら、実はそれを組織として
の戦略や理念、実行プロセスに落とし込んでいるからなのです。結果ではなくて、
プロセスの考え方。しかし一方で、そのプロセスは、飽く迄結果を出させるプロセス
なのです。そこに「諦めない力」が発現してきます。小林さん個人の話が実は
ホンダの文化の発現になっているのです。逆を言えばホンダ無くして
小林さんの話はないのです。

小林さんのお話を伺っていると至る所にこのことが見えてきます。
発現は個性的でも、「諦めない力」、「考え抜く力」は誰にでも獲得しようと思えば
獲得できます。どうすれば、具体的に「諦めない」ことができるのか?
これは個々の問題です。小林さんのお話しの中から、それぞれの人がどう対処
していけばいいのか、このヒントをぜひ感じ、そして試していただきたいのです。
これは今の時代の要請です。時代認識です。

面白い時代です。新しい価値観と、それを形にするイノベーションが求められて
います。イーフォーシーも、初志貫徹、皆様と一緒に新しいビジネスに挑戦して
いきたいと思います。

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋