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第132回e4c-village協議会 報告

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
いつの間にか師走です。ここ数日寒さも真冬並みになってきました。
朝室内(@横浜)でも10度以下になる冷え込みです。男子ゴルフの最終戦
JTカップも終わりました。年末に向けて、忘年会、新年挨拶準備、年度末処理、
来期事業計画、等々、それぞれ慌しい日々を送っていらっしゃることでしょう。
ノロウィルスも流行っているとのこと、過労、寒さ、飲みすぎ、身体には十分
注意してください。

さて、ちょっと間が開いてしまいましたが、次回第132回協議会のご案内です。
2年半前、2010年3月と4月にクラウドコンピューティングの大特集を2回にわた
って開きました。当時はクラウドの出だしの時で大騒ぎの割にはまだ評価も
定まらず、効用の大なる例もありましたが、まだまだ海のものとも山のものとも
分かりませんでした。先ずは分かりやすい例として日本IBMにリナックスメイン
フレーム(システム Z)を利用したクラウドを紹介してもらいました。これによ
ってユーザーは細かいことを知らなくても希望するジョブをさくさく操作でき、
思い通りの結果が得られればシステムはどうでもいいということが分かりました。
たとえば、ブレードで構成されているクラウドサーバーは機器をネットワークで
繋いでいますが、IBMのメインフレームは実態はバスラインです。 ユーザーは
そんなことは知らなくても高速に快適に動いてくれればいい。つまりこれが
「雲の向こう」=クラウドの意味だということなのです。信用金庫の共用システム
として使われているとのことでした。
我々ユーザー連中は何だか分かったような気になって、第2回目は6社にそれぞれ
のクラウド戦略を語っていただきました。NCAの津田さんを筆頭に、マイクロソフト、
日本ユニシス、セールスフォース・ドットコム、日本HP、富士通、でした。
クラウドの種類、効用、多様多彩なアプリについて、将来の発展が語られました。

それから2年半。もっと早くフォローアップをしたかったのですが、この間いろいろ
ありました。3・11もそうですが、植物工場、3D、スマホ・タブレット、スマートグリッド、
電子書籍、グローバル人材、BOP、・・・、世界、日本が大揺れに揺れていましたし、
現在でも揺れています。今年の7月には「クラウドの新しい潮流」を取り上げましたが、
スマホ・タブレットの大きな波はビジネスよりも一般消費者領域で思わぬ展開を
遂げていたのです。当然リソースの小さいスマホ・タブレットではサービスを
クラウドで提供することになります。この大きな変化を先ず取り上げ、
ビジネス領域は後回しになってしまいました。

さて、クラウドのビジネス領域のその後はどうなっているのでしょうか。
正直言って、余り華々しくは聞こえてきません。いろいろ聞いてみました。
悲観的な意見と、穏健で冷静な意見があります。楽観論はありません。
つまり今では悲観の反対は楽観ではなく、冷静・穏健なのです。

日本IBMの渡邉さんは、口調はちょっと悲観的ですが、論調は警告といった方が
いいかもしれません。3・11以来日本のIT投資は縮減しているそうで、特に中小企業
はITの効用を余り認識していないようなのです。世界からみるとその分人材も育って
いないようなのです。 このことは大企業のCIO育成にもいえるそうです。これは怖い。
単なる景気の影響だけなら追いつくことも不可能ではないが、人がいなくなれば
ますます競争力は落ちていく。渡邉さんには、クラウドを含めた、日本のIT戦略に
ついて現状と展望、提案を語っていただきます。

一方日本ユニシスの森さんは、クラウドについて「ソーシング ガバナンス」という
言葉を出してきました。つまり、アウトソースかインソースか、使い分けている企業が
増えているとのことです。大人の判断をするようになったということでしょうか。
クラウドの持つ意味を十分に把握して、企業の各種情報システムを、自社内で持ったり、
社外クラウドサービスを使ったりしているとのことです。これはひとつの進歩です。
日本のIT戦略の一つの質的側面なのかもしれません。森さんには
「ソーシング ガバナンス」を中心に、企業の情報戦略についてお話いただく予定です。

最後にもうひとつ。前回の特集で印象に残っているのが、ソーシャルインフラ系の
クラウドです。農業とか医療分野でのクラウドです。富士通が特に力を入れている
という印象があります。よく見てみると他社もやっていますが、富士通は一貫して
推進してきています。今回もこれは取り上げたいと思い、前回お話いただいた横山さん
にご相談したところ、今回は実際に開発し推進していらっしゃる大塚さんからお話を
伺うことができるようになりました。 本当は震災などを考えれば政府・自治体系の
クラウドがもっと進展してしかるべきだと思うのですが、どうもなかなか進まない。
時間が掛かりそうです。 その間ぜひソーシャルとはいえインフラ系クラウドを民間を
中心に発展させていって欲しいと思います。大塚さんには全体的な動きと
特定領域の現状と今後を伺いたいと思っています。

内憂外患の今、進んでいく方向性だけでもはっきりさせたい!それが分かれば動けます。
今回の「クラウドコンピューティング」もそのひとつです。
活動の場は世界です。グローバルに提案、根付かせていくにはどうすればいいのか、
一人ひとりが考え実行していきましょう。来年への抱負です!

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋