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第130回e4c-village協議会 報告

皆様、お元気にお過ごしのことと思います。
それにして凄い暑さです。今日も日本国中猛暑とのことです。青い空、じりじり
焼かれるような日差し、日陰を選んで歩く人々、厭になるほどの夏の日、です。
節電とはいえ熱中症には勝てません。オリンピックもロンドンでよかったですね。
16℃だそうです。日本にいる人は仕方ありません。こんなときは決して無理は
しないように身体をいたわって下さい。

さて、恒例の「夏の特別協議会」のお知らせです。
今回は資生堂の前田会長をお招きします。
以前から一度直接お話を伺いたいと思っておりました。e4cにふさわしい「変革の人」
だからです。e4cで話をしていただく人は皆「自立の系譜」という範疇に入る人です。
自分の頭で考え、自分の判断を持ち 、やらなければならないことにはリスクテイクも
敢えてする、口だけでなく実行する、そんな人たちです。今回は私の資生堂の友人に
お願いして何とか前田会長のご了解をいただきました。

前田さんには、今回3つのお話をお願いしています。
ひとつは中国戦略です。前田さんが推し進めた事業です。中国での資生堂ブランドの
浸透度は非常に高い。私も中国の要人とお会いするときは、奥様用にデューティフリー
で売っていない資生堂化粧品をお土産に持っていきます。大喜びされます。同じアジア
とはいえ、化粧は文化そのものです。電気や車などの文明とは違って、文化は精神性
が高いのでちっとやそっとでは人々の生活の中に入っていくことは難しい。それでも
中国文化にあまりに擦り寄り、馴染ませ過ぎると逆に埋まってしまってアピールできなく
なってしまいます。文化的な親和力と、潜在ニーズを掘り起こす新規性、両つながら
同時に満たさなければならない、と言えばいいのでしょうか。いずれにしてもそう単純
ではありません。「おもてなしの心」ということも言われていたかと記憶しています。
どのようにして中国女性の心をつかんだのでしょうか。これが一つ目です。

二つ目は、社長時代に取り組まれた企業変革です。資生堂は1872年(明治5年)創業の
古い会社です。今年で140周年です。普通古い会社には不要な滓や、障害にさえなる
しがらみが残っています。グローバルに不断に変化する現代に順応していくには、新しい
会社でも難しいのに、140年の会社はどうなのでしょうか?前田さんが取り組まれた事績
は当時から期待とともに語られていました。プロダクトブランドの削減、人事・組織の変革、
グローバル化、社外からの人財採用、・・・。ご本人は社長時代の古い話とおっしゃっている
とのことですが、多くの日本企業にとっては過去の話ではありません。まだまだこれからの
企業がたくさんあります。ぜひ伺いたいお話のひとつです。

最後は、コーポレートガバナンスについてです。オリンパスが引き金になって日本企業
全体が世界から疑惑の目で見られているとも言われています。ガバナンスもよく考えれば、
資本主義と同じ何種類かのタイプがありそうです。犯罪は論外ですが、独立社外取締役
にしてもメリット・デメリットはあります。一体全体「ガバナンス」とは何なのでしょうか?
グローバルスタンダードという逃げ口上ではなく、各社が哲学を持ってきちんと考えること
が必要なのでしょう。折もおり、前田さんがこのところコーポレートガバナンスについて
ご研究されていると伺って、まさに時宜に適ったお話として、ぜひご見識をご披露いただ
ければと思い、お願いいたしました。

政府も日本再生戦略を打ち出してきました。もうぐずぐずしている暇はありません。
次々に実行に移していくことが大事なのです。少しでも良い方向に行くのであれば労を
惜しまず実践していきましょう。間違いを恐れず、間違えたら即修正すればいいのです。
このところやっと「正解はない、否、正解は一杯あるかも」と正解主義からの脱却を堂々と
いう人が増えています。ビジネスの成功は人の数ほど成功談があるのです。だから実際に
実行した人の見識、胆識、勇気に触れて、私たちも立ち上がっていきましょう。

前田会長のお話を楽しみにしたいと思います。秋へ向かう8月末の夕べ。
お話を伺って心静かに密かに挑戦の炎を燃やしたいものです。

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!

株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋