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第119回e4c-village協議会 報告

皆様、如何お過ごしでしょうか。梅雨も明け、暑い日が続いています。グタッとしていないでしょうか。暑いからといって呑み過ぎない、日中出歩くときは水分補給を怠らない、食べ過ぎには注意しつつ栄養補給に努める、こうしていればほぼ大丈夫でしょう。くれぐれも油断なきよう!


さて、年2回の特別講演、今回は夏季分です。

この時期、テーマ及び講演者選び、正直迷いました。大震災だけでなく、リーマンショック後の大変化もまだまだ続いており、現象として何かひとつを取り上げるのではなく、日本が抱える共通した課題に焦点を当てるべきか、様々な局面で動いている世界を俯瞰的に捉えて、日本の課題を抽出していくか、そして誰にお話を伺うべきか。具体的な課題は多岐に渡ります。最近協議会でもグローバル化やBOPのことを取り上げました。近年政治問題化もしている資源問題・環境問題もあります。知的財産権の問題も中国新幹線の特許問題でにわかに騒がしくなってきています。それにしても日本の対応はいつまでたってもその場限りの感が強く、戦略性と執行力がなかなか見えてきません。こういう状況の中では、多岐に渡る視点と、具体的で分かりやすい実務的ロジック、そして闘う人間としてのパッションとエスプリ、そして何よりも修羅場を抜けてきた経験、こういうものを持っている人に話を聞いてみたいものです。いろいろリクワイアメントを考えて、決めました。


ソニーの先輩で、生きの良い、小寺圭氏です。


多分小寺圭さんは、知る人ぞ知る、です。ソニーには有名な人がけっこういます。井深さん、盛田さんは言うに及ばず、大賀さん、出井さん、久夛良木さん、最近ではハワード・ストリンガー、他にも業界で有名とか、ビジネスマンには知られているとか、いろいろいますが、小寺さんも人後に落ちません。私には、何かというと話を聞いてみたい人の一人です。先ずソニーらしい、ソニーのDNAをたっぷり持っている、アグレッシブでストレート、意表をつく発想、肩に力の入らないユーモア、グローバルで実行力あり、リスクテイカー、関係ないけどゴルフはシングル、社内でも多分味方もいたけど敵もいた、・・・、

名を馳せた人たちの中でも伍して戦ってきた、そういう人です。


略歴的にいえば、ソニーでは海外が長く、技術系ではなく、営業・マーケティング系です。私が出会ったときはソニーヨーロッパ、コンシューマーマーケティンググループの社長でした。その後ソニーマーケティングの社長、ソニーチャイナの会長を歴任し、ソニー退社後は日本トイザらスの会長CEOを勤められました。現在はクオンタムリープのエグゼクティブアドバイザーなどで活躍中です。


昨年「ヘコむな、この10年が面白い!」という著書を上梓しました。それ以来講演依頼が殺到しているらしいですが、今回はやはりグローバルに活躍してこられた小寺さんが、大震災も加わった今、世界をどう見ているか、何をどうしたらいいと思っているのか、伺ってみたいと思います。本も買わされましたので、「是非に!」とお願いしましたところ、「やはり俺しかいないか!」と快諾していただきました。


小寺さんの切り口は明快でシンプルです。それは著書にも表れています。震災後、しばらくして、ちょっと閑散としたすし屋で会食をしていたときに、「顰蹙を買っても自粛は止めよう!」と言っていたのも小寺さんです。ソニー時代も正論をズバッと言うことで事業部に顰蹙を買ったこともありますが、自粛はしませんでした。「ソニーに良い製品がなければ、他社の良い製品を売りたい。」と言って憚りませんでした。私がセイコーインスツルメンツ(SII)に移ったときも、SIIの商品を導入してもらいました。あっさりと決めてくれるのです。実に明快です。


実はソニーで私が大変お世話になった「小寺さん」は二人いますが、大先輩の方の小寺さんは最後はソニーマーケティングの会長さんでした。ややこしいのはそのとき社長は小寺圭さんで、両小寺さんが会長と社長だったのです。圭さんは先輩とはいってもまだ年齢が近いこともあって、私とは同志的な側面も強くありました。もう時効だから話してもいいと思いますが、あるとき私のグループである人があるネットワークビジネスを企画したときのことです。担当役員は社長の出井さんだったのですが、この話は出井さんには却下されてしまいます。出井さんは同じ分野でも違うことをやりたかったのです。もちろんそれも私のグループでやることになっていました。しかし新しい提案の方はノーでした。そこでアメリカ、ヨーロッパ、世界の他の地域の社長に相談してみました。出井さんが反対していることは前提で相談するわけですが、当時ソニーでは誰もそれを理由に拒否する人はいません。 しかしそれぞれの理由で簡単にOKとはなりません。そのときヨーロッパの社長だった小寺圭さんは、「その辺は実はやってみたかったんだ。

ヨーロッパでやろう。東京でも予算とってくれる?うちも同じ金額出すから。」 実にあっさりしたものです。こうして却下されたビジネスはヨーロッパで小寺圭さんの元で開始されました。もちろん私のグループの担当も小寺 圭 さんのところに行きました。出井さんが知っていたのか知らなかったのか、分かりません。でもそのときも、その後もソニーの他の役員、副社長まで応援してくれました。その後そのビジネスはソニーをスピンアウトし、今も続いています。


ヘコまなくていい日本をどう創っていけばいいのでしょうか。小寺 圭 さんはポジティブです。「だめだ、だめだ!」と言っているだけではできることもできません。大震災で吹っ切れたところから新しい日本を創っていきましょう!

今回も、「がんばろう!日本」は変わりません。世界は大震災を免罪符にはしてくれません。何事も挑戦です。正しい認識を持って、勇気を持って実行実践していきましょう。


是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!!




株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋

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