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第116回e4c-village協議会 報告

第116回e4c-village協議会について


皆様、如何お過ごしでしょうか。東日本大震災から早ひと月が経ちました。
少しずつ復旧への一歩二歩が踏み出されたような感じがします。
しかし原発をはじめまだまだほとんど手さえ付けられない現実が行く手を阻んでもいます。被災地の方のご苦労ご心痛には言葉もありませんが、改めてお役に立つことができるよう自分の気持ちを再確認したいと思います。先日の「新年度のご挨拶」でも触れましたが、その一方で自然は粛々と巡って行きます。先週満開になった桜は、今では目黒川に花筏を浮かべています。そして急速に葉桜に変わっていくのでしょう。季節の変わり目は特に体調に気をつけて、やるべきことを実行に移していきましょう。

さて、今回の協議会は、新年度初めの協議会です。「グローバル人材」を取り上げます。

昨年来「グローバル人材」についての講演依頼や相談が増えました。
「ソニーではどうしていたか?」、「体験を語ってくれないか」、「何か良い研修プログラムはないか?」、・・・。最初は個別対応でお話していましたが、どうも雲行きがおかしい。楽天やユニクロが英語の社内公用語化を発表したり、外国人採用の比率を上げる発表があったり、これらはすべて企業のグローバル化の流れに沿った施策としてリリースされたものでした。どこかおかしい、と思いませんか。
どれもみなグローバル化ということの本質ではなく、表面的な形の話なのです。ソフトのない箱物志向の日本の面目躍如です。皮肉はともかく一度きちんとした議論をやっておこうという気になりました。

今回の協議会は久し振りにパネルディスカッション形式を取ろうと思っていますが、
そのパネリストをお願いした人たちに聞いてみました。皆さん異口同音におっしゃるのは、英語は当たり前、前提中の前提で、取り立てて言うべきことでもない。英語が話せるくらいでグローバル人材というのはおこがましい。逆に英語がそんなにうまくなくてもグローバル人材はいる。先ずは多様性、ダイバーシティ、複雑性、マルチカルチャー、等々、いろいろな言葉で言われているが、多種多様な人たち、人種、民族、文化を認め、理解し、尊敬することができるかどうかだ。でもそれは自分を虚しくすることではない。自分に、自分の国、民族、文化に誇りを持てると同時に、相手も尊重することだ。でもこれも前提といえば前提。グローバル人材というのは、さらに企業のグローバル化にあわせた特殊性もある。ソニーのグローバル人材がIBMのグローバル人材と同じということはない。一般解だけなく、その企業の特殊解があってこその「グローバル人材」なのである。

いろいろな人に話を聞けば聞くほどグローバル化というのは奥深い。そこで今回は「グローバル人材論」の総論編という位置づけで考え、できればインプルメンテーション編を別途もう一回企画し、その中で人事制度、育成プログラムなどを取り上げたいと思います。今回も一部インプルメンテーションに触れる場面もあるとは思いますが、それはグローバル人材の何たるかの理解を容易たらしめるために紹介されます。

パネリストは多彩です。先ずソニーの先輩、小寺圭氏。ソニーヨーロッパ元社長、ソニーマーケティング元社長、ソニーチャイナ元社長、です。昨年「ヘコむな、この10年が面白い!」という著書を上梓しました。グローバルビジネスの観点からグローバル人材を語ります。たぶん言いたい放題です。
二番手は、エグゼクティブサーチ出身の佐藤智行氏。長年の友人で、転職アドバイスをしてくれました。ただ残念ながら私の場合は実りませんでしたが。佐藤氏は国際ビジネスにも明るく、外国企業の日本法人の社長など多数斡旋して来ました。
三番手は、グラクソ・スミスクライン(株)(日本法人)取締役人財本部長の深野誠氏。
ソニー出身で、私がソニー時代から知っているソニー人事の代表選手みたいな人です。
ご存知の通り、グラクソ・スミスクライン(GSK)はヨーロッパの企業です。欧州企業は、極端に言えば大航海時代からグローバリゼーションのノーハウを蓄えてきています。他の海外企業とは一味も二味も違います。GSKもイギリス本社は人種の坩堝だそうです。英語は大前提という深野氏にはその先をぜひ伺いたいと思います。
四番手は、日本IBMにお願いしてあります。本格的なグローバリゼーションはガースナー時代から始まったといいます。アメリカにある本社は、決してアメリカナイゼーションを推進する本社ではない、といいます。たまたまアメリカに本社があるだけ。基本は世界本社。グローバルな企業活動を戦略的、効率的に推進するためのグローバリゼーション。それを担うグローバル人材。グローバル性は職位が上がるほど高くなるそうです。それをサポートする制度・プログラムがグローバルに整備されているそうです。
今回はビジネス分野と人事からお二人に出ていただく予定です。昨年クラウドの講演もしていただいた渡邉彰氏と、人事ワークフォース担当の部長 堤敏弘氏。
五番手は、伊藤忠商事。以前協議会で丹羽元会長、小林会長からもお話を伺っているようにグローバル人材の育成に並々ならぬ熱意を持って施策を打っておられます。ご担当の方とはこれからお会いし、お話を伺うことになっています。次回のご案内でご紹介いたします。

グローバリゼーションも待ったなしです。新興国だけではありません。日本が世界に向けて発信していかなければならない時代になっているのです。いい加減な認識では後で苦労するだけです。正しい認識を持って、勇気を持って実行実践していきましょう。これもまた挑戦です。「がんばろう!日本」

是非奮ってご参加下さい。語り合いましょう。それでは会場で!



株式会社イーフォーシーリンク  横野 滋

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